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視力の大半を失った高校生 大学進学前に決意 県立盲学校で卒業式迎えた思い【佐賀県】

2023/03/21 (火) 18:25

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今月10日、佐賀市の県立盲学校で卒業式が開かれ児童と生徒8人が旅立ちの日を迎えました。卒業生の1人で、12歳で視力の大半を失った牧野愛菜さん。県外への大学進学を前に「人生の再スタートを切ることができた大切な場所」と学校生活を振り返り、決意を新たにしました。

【県立盲学校牧野愛菜さん】
「見えなくなったり、病気になったからこそ気付けたことは、たくさんたくさんあるので、その経験を大切にしたい。かわいそうと思われたくないんですよ、私。だからこそいろいろ挑戦していて、楽しく何でも挑戦したいと思う」

県立盲学校高等部の牧野愛菜さん。光を感じることができますが、ぼんやりとしか見えません。牧野さんは中学1年生の夏に白血病を患っていることが分かります。その後、治療中に感染症にかかり、「弱視」になりました。1年に及ぶ入院生活のあと盲学校に転校。
「障害者」となった牧野さんが出会ったのが、視覚障害者向けの卓球、「サウンドテーブルテニス」でした。

【牧野愛菜さん】
「音の距離感とかあったり、選手によってもボールの打ち方、クセで音が違ったりするので、面白いなと思います。すごく大好きな競技ですね」

牧野さんは週に4日の練習でみるみるうちに上達。去年栃木県で開催された全国障害者スポーツ大会では見事3位という成績を残しました。

休日は、カフェ巡りで親子水入らずの時間を過ごします。

【母牧野愛美さん】
「ハートがここにこうあって。鳥の羽みたい」

牧野さんは来月から茨城県の筑波技術大学で情報技術などを学びます。春からは別々の生活が始まり、今まで当たり前だったこの時間も残りわずかとなりました。

【母牧野愛美さん】
「目を見えるようにしてあげることは私ができることじゃないから、自分の進みたい道に進んで楽しい毎日を過ごせるようなそういう人生を送ってくれたら、私は一番幸せですね」

「高等部普通科、牧野愛菜」
「はい」
「おめでとう」

【牧野愛菜さん】
「盲学校に入学してきた当時は、私自身気持ちの整理ができておらず葛藤の毎日でした。(盲学校は)人生の再スタートのきっかけとなった大切な場所です」

式には祖母、美知子さんと母、愛美さんが出席し、旅立ちの日を見守りました。

卒業式の後のホームルーム、高校生活最後の時間です。

【手紙を読む牧野さん】
「5年間の盲学校生活を振り返ると…本当に様々なことがあったと思います。…ごめんなさい」

12歳で地元の中学校から盲学校に転校した牧野さん。様々な思いがよぎります。

【手紙を読む牧野さん】
「私自身とても不安で…。一人だけ違う世界にいるような気持ちでした。いつも笑顔で明るく私を応援してくれて背中を押してくれて本当にありがとう】

【祖母 牧野美知子さん】
「一生懸命やり尽くしたということですね。私にとって愛菜はキラキラ輝いてダイヤモンドみたいですね」
【母 牧野愛美さん】
「だんだん前向きに気持ちが変わって私も嬉しいので。『寂しい』というよりも笑顔で『頑張ってね』と送り出してあげたいという気持ちの方が強いです」

家族、恩師の思いを胸に、牧野さんは新たな挑戦に臨みます。

【牧野愛菜さん】
「これからが人生の本番と私は思っていて、挑戦していろんなことを吸収して自分の人生、自分で切り開いていきたいなという気持ちでいっぱいです」

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