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希少な「赤酢」を新たな特産品に…原料は”酒かす”「酸味が苦手な人も美味しく飲める」【佐賀県】
2023/10/30 (月) 18:40
県内で奮闘する人を紹介する佐賀人十色。今回は「赤酢」と呼ばれる珍しい“酢”の商品開発に取り組む女性です。原料は、佐賀が誇る日本酒の搾りかす。「赤酢」を新たな県産品にしようと奮闘しています。
これまで足を運んだ飲食店は50軒余り。1人の主婦が大きな夢を追いかけています。
【本山智子さん】
「まだ知ってもらうステージだなと思いますね。日本の赤酢イコール佐賀の赤酢みたいな形になりたい」
商品の企画開発などを手がける本山智子さん45歳。佐賀を“赤酢”の産地にしたいと奮闘しています。
【街の人】
Q・赤酢知っていますか?
「いやー、聞いたことない」
「赤いからシソとかですか?」
現在は、希少で知名度の低い赤酢。一般的な酢と比べ熟成期間が長いため、マイルドでうまみが強いのが特徴です。酢の物や魚の煮つけに合うだけでなく、そのまま飲んで楽しむこともできます。
【本山智子さん】
「まろやかでむせかえりもしない。こんなにおいしいお酢ができるんだと。どちらかというとお酢の酸味が苦手だった。これだったら酸味が苦手な自分でもおいしく飲めると」
かつては、江戸前寿司のシャリにも使われ、広く普及していました。
【嬉乃すし 加藤昭博大将】
「元々は価格が安かったので赤酢を江戸では使っていた。マグロ・カツオ・青物とか味が強い魚に赤酢はもってこい」
今年4月、本山さんは赤酢の仕込み作業に立ち会っていました。次々と投入されるのは…原料となる「酒かす」。“県内の酒蔵”から提供してもらったものです。
【サガ・ビネガー 右近雅道社長】
「決定的な違いは色味。色が濃いものもあるので、微妙に味も違うと思われる」
食酢メーカーや県内5つの酒蔵とタッグを組み、5種類の赤酢を販売して産地化を図る。これが、本山さんが実現を目指している“赤酢プロジェクト”です。
【本山智子さん】
「全国的に見ても、こういう取り組みをしているところが無い。どんな味わいができるのか不安もあるが、それを凌駕するくらい楽しみ」
赤酢を知ったのは4年前。結婚を機に兼業農家としてコメ作りをしていた経験が本山さんを突き動かします。
【本山智子さん】
「機械代を払ったらこのくらいしか儲からんのかというのは正直、衝撃的だった。農業者の所得が少しでも上がるきっかけができれば、それだけでも少し違うなと思って」
本山さんは赤酢の消費量が増えれば、原料の酒かすが必要になる。ひいてはそれがコメの販路拡大にもつながると考えています。
【本山智子さん】
「だいぶ前に始まったプロジェクトもようやく赤酢がなんとなく出来上がったというところまでやっと来ることができました。皆さんのおかげです、ありがとうございます」
仕込みから半年。この日、5種類の赤酢が全て完成しました。
原料の酒かすを提供した蔵元の反応は…?
【天山酒造 七田謙介社長】
「香りが違う!(飲んで)ああ、酸の立ち方も違うね」
【天吹酒造 木下壮太郎社長】
「光武くんのところ、香りが違うね、吟醸感がする」
【天山酒造 七田謙介社長】
「なんで?これ、めっちゃフルーティー」
それぞれの酒かすによって、味わいや香りが全く異なる5つの赤酢。
【本山智子さん】
「それぞれ味が本当に違うのかとこれまで質問をたくさん受けた。これで味が違うと、酒かす特有の酒蔵の特徴が出たと分かった」
5種類の赤酢を並べると…酒かすの違いで色の濃淡にも変化がありました。
【天山酒造 七田謙介社長】
「こんなに個性が出るのかと驚いた、今後が非常に楽しみ」
【天吹酒造 木下壮太郎社長】
「自分んち(酒造)の酒に合うような赤酢ができたのかなと」
【古伊万里酒造 前田くみ子社長】
「子供たちも含めて、あと酒が飲めない方にもお酒に関する商品として楽しんでもらえたら」
喜んでばかりじゃいられない。本山さんは、完成した赤酢を使ってもらうため県内の飲食店に足を運びます。
飲食店でも、なじみが薄い赤酢を懸命にアピール。反応は上々のようです。
【喰道こが 古賀和幸さん】
「絶対間違いないですから!という赤酢への熱意はものすごかった。お酢と日本酒との間にワンクッションで自分たちが料理の提供の仕方だったり、食材を変えたりだったりできたら面白いかなと」
完成した商品は「佐賀の赤酢」として来年1月から販売がスタート。まずは県民に知ってもらうため、2月には飲食店とのイベントを開き、認知度向上の起爆剤にしたい考えです。
【本山智子さん】
「米どころ、酒どころというところでおいしい赤酢ができるのを味わっていただきたいし、赤酢といえば佐賀といわれるように全国に広めていきたい」
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